時々ぷらりと行く丸善書店で、ルイス・バラガンの写真集を見つけた。
数あるバラガン本の中でも目に付いたのは、住宅作品にフォーカスしている点と写真の美しさ。
ただ綺麗な写真ではなくて、なんというか、建築目線なのである。

コーヒーテーブル・ブックと云う本のジャンルがある。
客間のテーブルに置いて、ちょっとおしゃれな雰囲気を醸し出す小道具、というと意地悪な解説になるがまあそういう本で、建築や美術のサイズの大きな写真集が多い。
洋書コーナーなどでたくさんあるあれだが、写真やレイアウト、編集の仕方がピントがずれてるというか、素晴らしい建築を撮ってるのに、もどかしさの残る本が少なくない。

が、この「カーサ・バラガン」、素晴らしい。
なんというか、この本は、見たい写真ばかりなのだ。


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建築雑誌など専門のカメラマンが撮ってる専門誌でも、意外にスルーする写真は多い。
被写体選択の問題か、アングルか、わたしの視点がズレてるのかよくわからないが、雑誌一冊端から端まで見て半分以上が食いつきたくなるような写真、というケースはほぼない。

それがこの本ときたら、端から端まで吸い付くように見て、もっと見せて、とせがみたくなる。
どんな素晴らしいカメラマンかと思ったら、建築家の斉藤裕氏だった。

もちろんルイス・バラガンは素晴らしい。
色で語られることが多いが、すべての作品が白一色でも100%美しい。
フォルムが素晴らしいからだが、そんなことに気づくのも写真がいいから。
図面までついて¥3,800は、超のつくお値打ちだった。

こんな出会いがあるから、本屋通いはやめられない。
丸善だから、カフェで”檸檬”も食べた(高かった)。



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